「いつか」を「いま」に変える魔法──タイムバケットで人生の地図を描く

考える

@人生ほぼ登山です。

年末が近づくと、

ふと「今年やり残したことはないか」「来年はどんな年にしようか」

と思いを巡らせる方も多いのではないでしょうか。

今回は、私が最近読んで感銘を受けた書籍『DIE WITH ZERO』(ゼロで死ぬ)から得た、人生を豊かにするための強力なツール、「タイムバケット」についてお話しします。

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【77万部突破】お金を「貯める」から「使い切る」へ。45歳から資産を経験に変え、人生を最大限に豊かにするための9つのルール。従来の常識を覆すお金の哲学書。

これは単なる「やりたいことリスト」ではありません。

人生という限られた時間を、後悔なく使い切るための具体的な戦略地図です。

資産形成をしていると、

どうしても「お金を増やすこと」に意識が向きがちですが、

本来の目的は「そのお金を使って、豊かな人生を送ること」はずです。

今回は、その「使うタイミング」に焦点を当てて考えてみたいと思います。

【1】「バケットリスト」の落とし穴と、「タイムバケット」の革新性

皆さんは「バケットリスト」を作ったことはありますか?

「死ぬまでにやりたいことリスト」のことです。

世界一周旅行がしたい、オーロラを見たい、フルマラソンを完走したい……。夢を書き出す作業はワクワクしますし、それ自体は素晴らしいことです。

しかし、このバケットリストには大きな弱点があります。

それは、「いつやるか」という時間軸が欠けていることです。

「いつかやりたい」と思っているうちに、日々の忙しさに追われ、気づけば10年経っていた、なんてことはざらにあります。

そこで登場するのが「タイムバケット」という考え方です。

やり方はシンプルです。

まず、やりたいことをすべて書き出します。ここまではバケットリストと同じです。

重要なのは次です。

自分のこれからの人生を5年または10年区切りの「期間(バケット)」に分け、書き出した「やりたいこと」をそれぞれの期間に放り込んでいくのです。

40代前半、40代後半、50代前半……。

こうして時間軸という枠を設けることで、「いつか」という曖昧な願望が、「45歳までにやること」という具体的な目標に変わります。

登山で言えば、

ただ「山頂に行きたい」と思うだけでなく、「12時までにあの地点を通過する」

とコースタイムを決めるようなものです。期限が決まることで、実現への確度が劇的に高まるのです。

【2】体験には「旬」がある──今しかできないことに投資する

タイムバケットを作る最大のメリットは、「体験には賞味期限がある」という事実に気づけることです。

私たちはつい、「お金と時間に余裕ができたらやろう」と考えがちです。しかし、お金があっても、体力や環境が整っていなければできないことはたくさんあります。

例えば、「子供と一緒にキャンプに行って、満天の星空を見る」。

これは、子供が親と一緒に行動してくれる小学生くらいまでの「期間限定」のイベントかもしれません。高校生になれば部活や友達との予定が優先され、親とは行ってくれないかもしれません。

また、「両親を温泉旅行に連れて行く」。

これも、両親が元気に歩けるうちでなければ、実現のハードルは高くなります。

私自身、両親と一緒に旅行に行った思い出は、今でも心の中で輝き続ける「記憶の配当」を生み出しています。あの時行っていて本当によかったと、心から思います。

一方で、「静かな書斎で、大量の本を読み耽る」といった夢はどうでしょうか。

もちろん今すぐやってもいいですが、これは体力が落ちた老後でも十分に楽しめることです。

このように、やりたいことを年齢ごとのバケットに振り分けると、

「今しかできないこと」と「後でもできること」が明確になります。

「今しかできないこと」を先送りにして、お金だけを貯め込むのは、人生という登山のピークを逃してしまうことになりかねません。

【3】資産形成の出口戦略──お金と時間のパズルを合わせる

私はFPとして、また一人の投資家として、資産形成の大切さを発信し続けています。

しかし、タイムバケットを作ってみて痛感したのは、

「お金を貯める計画」と同じくらい、「お金を使う計画」が重要だということです。

タイムバケットが完成すると、人生のどの時期に、どれくらいのお金が必要かが可視化されます。

「45歳で家族でハワイに行きたいなら、あと5年でこれくらい用意しよう」

「60歳で登山三昧の日々を送るなら、健康維持への投資も今のうちから必要だ」

といった具合に、目的を持った資金計画が立てられるようになります。

ただ漠然と「老後が不安だから」と貯め続けるのと、

「50代でこの体験をするために」と貯めるのとでは、日々のモチベーションも、お金を使う時の満足度も段違いです。

タイムバケットは、人生の「時間」と「お金」という二つのリソースを、最も効率よく、そして幸福度が高くなるように配分するためのパズルなのです。

お金は墓場までは持っていけません。

適切なタイミングで、適切な体験に交換してこそ、お金はその価値を最大限に発揮するのです。

【4】年末までに完成させたい、私の人生の地図

『DIE WITH ZERO』には、衝撃的な問いかけがあります。

「あなたは、人生の最後の日に、銀行口座に大金を残して死にたいですか?それとも、最高の思い出に囲まれて死にたいですか?」

私は迷わず後者を選びたい。

だからこそ、後悔しないために、今年の年末までに自分だけのタイムバケットを完成させようと思っています。

まずは、やりたいことを全部書き出す。些細なことでも、壮大な夢でも構いません。

そして、それを自分の年齢のバケットに入れていく。

そうすると、「あれ?意外と時間がないぞ」と焦るかもしれません。でも、その焦りこそが、今日を大切に生きるエネルギーになります。

子供と過ごせる時間、親孝行できる時間、体が動くうちに挑戦したい山。

それらをパズルのように埋めていく作業は、自分の人生を愛おしく思う時間になるはずです。

皆さんも、この年末年始の時間を使って、ぜひタイムバケットを作ってみませんか?

それはきっと、来年からの景色を変える、新しい地図になるはずです。

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