@人生ほぼ登山です。
人生の目標をどこに置くか。
これは資産形成を考える上でも、日々の暮らしを整える上でも、非常に大切な問いです。
ここで、家族、とくに子供がいる方にとっては、この問はまた別の視点も考えられます。
例えば、投資や仕事を頑張っていると、
つい、もっと多くの資産を子どもに残してあげたいと考えてしまいがちです。
しかし、これまでの私の経験や、多くの本から学んだ知恵をしみじみ振り返ると、
お金そのものを残すこと以上に、もっと優先すべきことが見えてきます。
今回は、子どもに与えたい2つの機会と、親子で作る思い出の重要性について、私の考えをお話しします。
〇 1. 奪われない資産としての教育の機会
登山にたとえるなら、投資でお金を増やす行為は山を登る足そのものですが、
知識は地図であり、コンパスです。
子どもに多額の現金を残したとしても、それを正しく扱う知恵がなければ、その財産は守りきれません。
一方で、教育によって得られた知識や考える力は、誰にも奪われることのない最強の装備になります。
本は1,500円前後で購入できるにもかかわらず、その内容は将来何百倍ものリターンをもたらす投資になります。
私は読書を最高のレバレッジと捉えていますが、子どもにも「自ら学び、解決策を見つける力」という知恵のチート装置を授けてあげたい。
それは単なる学校の勉強だけでなく、世の中の仕組みを知り、自分の頭で判断する金融リテラシーも含みます。
一度身につけた知恵というベースさえしっかりしていれば、どんな暴風雨の中でも子どもは自分の足で歩き続けられるはずです。
〇 2. 体験には旬がある──今しかできないことへの投資
最近読んで感銘を受けた書籍『DIE WITH ZERO』から得た大きな気づきの一つに、体験には賞味期限があるという事実があります。
お金があっても、体力や環境が整っていなければできないことはたくさんあります。
子どもと一緒にキャンプに行って満天の星空を見る。
歴史ある寺社仏閣を訪れてその場の空気に触れる。
家族でその地方の特産品でできた美味しい食事をする。
これらは、子どもが親と一緒に行動してくれる期間限定のイベントかもしれません。
高校生になれば部活や友達との予定が優先され、親とは行ってくれなくなるでしょう。
だからこそ、将来のためにとただ漠然とお金を貯め続けるのではなく、今しかできない体験に適切にお金と時間を使うことが重要だと考えています。
感性を磨く投資は、金融資産のような数字ではなく、人生の納得感という形で現れます。
子どもの頃に五感で感じた非日常の刺激は、大人になってから自分を支える精神的な支柱となり、豊かな人間性を育む糧になります。
〇 3. 記憶の配当──親子で過ごす時間が生む一生の資産
私は最近、タイムバケットというツールを使って、人生の残り時間とやりたいことを可視化しています。
そこで気づくのは、最高の思い出に囲まれて死にたいという切実な願いです。
子どもと一緒に苦労して山を登り、山頂で一緒におにぎりを食べた。あの時感じた風や空気感は、何年経っても色あせることのない共通の資産になります。
体験を誰かと共有することは、その思い出を外部保存することに似ています。
自分が忘れてしまっても、相手が覚えている。
ふとした会話の中で「あの時楽しかったね」と振り返るたびに、幸福感が再生されます。
これはまさに、思い出が複利で増えていくようなものです。
お金を貯めすぎるあまり、今この瞬間の家族との時間を犠牲にしてしまっては本末転倒です。
人的資本の源泉である家族との時間を大切にすることこそ、最も効率の良い人生への投資かもしれません。
〇 4. 最後に:見通しの良い山を登るために
資産形成の本来の目的は、お金を使って豊かな人生を送ることにあるはずです。
お金は墓場までは持っていけませんしね。
適切なタイミングで、適切な体験や教育に交換してこそ、お金はその価値を最大限に発揮します。
他人との比較で成り立つ幸せは長続きしませんが、親子で作った思い出という非地位財の幸せは一生残ります。
自分が本当に価値があるものに、
これからの時間とお金を使っていきたいなと考えています。

